購入時期 | 比較検討したバイク |
---|---|
2016/06 | ー |
購入の決め手 | |
もともとフランス製の古いロードバイクに乗っており、ひょんなことから手放してしまいました。そしてしばらく歳月を経てまたロードバイクに乗りたいと思い、探したところ、今のロードバイクに出会いました。 レトロかつきちっと作り込まれたデザインで一目惚れしました。 やはり古くてもしっかり作られたものは世代を超えますね。 愛車の名前は1953年公開のフランス映画Crin blancから。 ちなみに和名では白い馬です。 プライドの高い生粋のフランス人である愛車にフランス語以外の名前をつけると怒り出しそうなので。笑 |
最新ロードのことはわかりませんが、旧車の話題でしたら大歓迎です。
気になる箇所やパーツについてなど詳しく知りたい方はコメントください。
僕の調べた範囲で可能な限りお答えさせていただきます。
皆さまのコメントお待ちしております。
>>アディさん
コメントありがとうございます。
車やバイクに比べるとロードバイクに対する旧車ファンの絶対数は多いとは言えませんよね。
というのもプロではなくてもプロ選手と同等な機材が比較的気軽に入手できたり、草レースなどに参加もしやすいですし、圧倒的に自転車はお金をかけるにしても車やバイクと比べて現実的だという理由からでしょうか。
実用車の新車購入代金をそっくり自転車にあてがえば最新ロードの中でも最高峰のものが手に入るでしょう。
そんな中、ゆっくりと時間をかけて当時のパーツを探したり、パズルのように古い情報をかき集めてバイクに対して理解を深めていくという旧車ならではの楽しみ方も自転車を趣味とする上でありかな、と思います。
自分で整備もしてしまうし、生産終了したパーツのみを探し、再生すると行った楽しみ方は、ものを作って売るという現代の自転車業界には都合が悪いかもしれませんが、自転車文化に対する貢献には一役買うのではないかと思い、情報をシェアしようと思いました。
興味を持っていただきとても嬉しいです。
私も正直、旧車について詳しい訳では無いのですが、フランス車たるエスプリはビンビンに感じます。もはやロードレーサーも大量消費の時代に入ってしまい、本当に手のかかっている物に出会う事もここ日本でも(日本だから?)大変少なくなってしまいました。カーボンも決して悪くは無いのですが、こういう楽しみ方もあるという意味では素敵に感じます。
>>Rossinさん
コメントありがとうございます。
1970年代前半のツールドフランスにて、エディ・メルクスが4連覇を達成した頃にフランス製の実用車やロードバイクは、その高い完成度が認められ、アメリカに大量の自転車を輸出したようです。
当時のアメリカではもっぱら日常の足としてフランス車が流行し、使われてたみたいですね。
調べていく中でとても興味深かったのが一般的にローエンドモデルに括られるスポーツ車の評判の高さです。
現在でも愛好家が多く存在し、コンポーネントを上位のものにアップグレードしてまだまだ現役で走っているとのことでした。
中でもフランス製のランドナーの評判はやはり良いですね。
長めチェーンステイを上手く組み込んだバランスの良いフレームはパニアバッグ等を取り付ける際に十分なクリアランスを確保でき、フレームの重さよりもその実用性、耐久性、剛性を求めて、あえてローエンドのフレームに人気が集中したようです。
また、当時のフランス製ハイエンド車はとてもわかりやすくコッターレスのクランクにアルミ製リムを標準装備しているものでした。
こちらもレストアする愛好者も多いようで一部では、120mmと細い5速用リアエンドにシングルスピード用トラックハブを装着し、ピスト化をするというものもあります。
ただフランス車独特のフレーム形状や、フレンチスレッドに悩まされるケースも多く、パーツ探しが大変なのは事実です。
そう行った大変さも含めてフランス車のエスプリと表現できますね。
只々、Masiikさんの探究心には感服します。現在の専門誌だけでは得られない知識だと思います。もっとも、現在の自転車はほとんどシマノ・カンパ・スラムの3強(ほぼシマノ?)のコンポ状態ですし、クランクは⚪︎⚪︎ ディレイラーは××という様に自分のお気に入りのパーツメーカーで組むという楽しみ方もほぼ無いですからね。20数年前に雑誌で出てたMAVICのリアディレイラー(電動式ではありません。コンポっぽかったかも)、かっこよかったなあ。
>>Rossinさん
コメントありがとうございます。
そうですね。
どうしても前記の通りロードバイクの旧車ファンは少数です。
必然的にメディアもそのほとんどが商品で言えば最新ロードや最新コンポなどの取り上げがメインとなり消費者に対して"今買えるもの"の情報を配信しています。
情報の露出頻度から考察してもその人気の大半が最新のロードに向けられているというのがわかります。
少し余談を書かせていただくと雑誌やメディアのあり方として最新情報を提供していくのは従来の正しい形だと思うのですが、同時に雑誌が他のウェブなどの媒体の発展によって発行部数が伸び悩んでいる中、印刷物に関しては今後に向けて専門書的内容に特化した多様性のあるコレクター向けの要素を増やしていくというのが予想できる傾向なのではないでしょうか。
印刷物である長所を活かし、本棚にいつまでもとっておきたくなるようなものにその付加価値が生きていくのではないかと。
必然的に浅く広い内容ではなく各ジャンルに向けて掘り下げた狭く深い内容が求められそうですね。
パーツメーカーの互換性及び、その汎用性に関してなのですが古いフランスのロードバイクではフレーム一つをとっても出資企業の元に複数の名のある下請け業者が存在していました。
その中で他国のメーカーに対するフランス規格が生まれたんですね。
1800年代後半より長い歴史のあるフランス製の自転車の発展を支えてきた企業Stronglight、Simplex、Mafac、Atom/Maillardなどのそれぞれの長所、利点を活かし、70年代後半に"Spidel"というフランス発のコンソーシアムによるハイエンドコンポが生まれました。始まりは当時のフランス人によるお気に入りのパーツメーカーで組んでみたいという願いからかもしれませんよね。
70年代後半から80年代初頭にかけてととても短い期間でしたが長年のカンパユーザーやシマノに移行するユーザーへ対して一石を投じるものだったようです。
結果的にその中のほとんどの企業は倒産してしまっていますが、特徴ある独特のフレンチ企画によって開発されたSpidelは現在でも世界的に多くのマニアが存在する貴重なネームですね。
また日本では国内自転車メーカーのコンソーシアムSUNTOURというのもありますね。
現在では皆さんご存知のシマノ・カンパ・スラムの3強が主流ですが今後どのような流れになっていくのでしょうね。
Spidelを構成していた企業のように時代の流れとともに姿を消してしまう企業も出てしまうかもしれません。
最終的に勝ち残った一社が市場を独占してしまってからでは遅いのでそれぞれの企業にオリジナリティを追求してもらい、それに対してのインフラを構築していくのが必要となりそうですよね。
そういうところをメディアにも協力してもらい、多様性ある情報を配信し、それぞれの分野でのファンを構築する手伝いを行っていただきたいです。
ご無沙汰ですが、フランスの情勢はいかがですか?コロナはかなり厄介者で、ここ日本でも自転車に乗るのもやや遠慮気味になっております。乗れたとしてもあまり追い込んだ乗り方をしては本人の体力も落ち気味になりますので・・早く堂々と、でものんびりとスチールロードに乗りたい物です。
オーナーのコメント
デカールとフレームに刻印されたシリアルナンバーを元に当時のカタログやインターネットから情報を調べたところ、このバイクは1963年Peugeot製PA10であることが判明。
ただ、当時のスペックを調べていくのは少しばかり大変でしたが基本的なことは把握することができました。
まずフレームはハイテン鋼製のチューブをNervex製のProfessionalとSERIE Legereを組み合わせたラグ溶接。
当時のカタログでは総車体重量11kgと記載されていました。
上位機種であるPX10と同じフレームジオメトリを用いられたものです。
しかしPX10は9.5kg、Reynolds 531ダブルバテットチューブ、オールマンガンモリブデン製とやはりグレードの差はあります。
兄弟車であるPY10は前三角がマンガンモリブデン、その他パーツはハイテン鋼という仕様で僕の所持するPA10はその中でも末っ子的な存在だったのでしょう。
値段に関しても当時のPX10の半分くらいだったようです。出会ったバイクとは末長く付き合っていきたいという一心で一通りのレストアをしました。
やはりフレームがフランス規格であることからネジのパターンやパーツの汎用性など癖のある箇所が多くそれなりに情報を調べて作業を進めていきました。
レストアの内容ですが各部回転部の清掃、ベアリング交換、グリスアップはもとより表面に付着していた錆を落としたり、また磨いたり。
購入時の状態からは見違えるような走行性能を取り戻すことができました。
フレームの塗装はあえて今までこのバイクが歩んできた歴史を物語るところなので必要最低限のサビ落としのみにしました。
きちっと作られたものは何年たっても整備はある程度やり易いと思います。
フレーム精度がしっかりと出ていたのには感心しました。
もともとついていたCYCLO製リアスプロケットが5Sで14T-19T、フロントチェーンリングが46T、50Tとギア比を計算すると大変な男ギアでした。
インナーローにて2.42では街中にある坂を登る時も一苦労。
そこで純正のSuper Champion製RecoadチューブラーリムをRIGIDA製の鉄リムに交換した際についていたMaillard製スプロケット14T-28Tの少しワイドなものに交換しました。
インナーローにて1.64のギア比で使用でき、15%くらいの激坂が続く峠でもダンシング、シッティングと組み合わせてなんとか登れるようになりました。
前輪はSuper Championのアルミリム、後輪にRIGIDAの鉄リムを装着し、タイヤはスレックタイヤでは安くてそれなりなMichelin Dynamic Sport 23mmを履いてます。
平地では漕ぎ出しが少し重いものも、スピードにある程度乗ってしまえは楽にスピードを維持できます。
街中での僕の巡行スピードはケイデンス90rpmくらいで25-30kmくらいでしょうか。
道がひらけた平地では40kmちょいを出すこともできます。
今後は今ついているSimplex製のチェーンリング46T-50Tをもう少しコンパクトなコッターレスのStronglight製の41T-52Tに変更し、もともとついていたCYCLO製リアスプロケットに戻し、クロスレシオで走行したいです。
もし見つけられたらクランク長も175mmのものに変更したいなと考えています。
昔のロードバイクは今のSTIレバーのブラケットを握って走行するスタイルではなく下ハンを握って走行するということもあったせいか、シートピラーが短めに作られており、そこまで高くは調整できません。
現在はシートチューブの中に3cmもピラーが入っていない状態です。
それに僕のようにブレーキブラケットの手前を握るポジションでサドルの高さを合わせてしまうとなんとなくハンドル落差がつき過ぎてしまい、前傾姿勢がとても強くなってしまいます。
ステムをあげると今度はトップチューブが短くなりすぎてしまうし、まだまだ最適なポジション出しには苦労しそうです。ピラーだけでももう少し長いものに変更したいのですがアルミ製の24mmのものがなかなか見つかりません。
ポッキリと折れないように祈るばかりです。
しかし整備を繰り返してその効果を直に体感できるのでとても楽しいです。
老体に鞭を打ってまだまだ乗り続けたいと思います。